「昨日まで普通にログインできたのに、今日はアカウント停止」——コミュニティに繰り返し出るのは、この一文です。欲しい答えはだいたい二つです。なぜ落ちたのか。次はどうすれば落ちないのか。後者はこの記事の仕事ではありません。回避のやり方は書きません。前者、つまり端末から運営の画面に何が届いているかだけを解剖します。
BANは、アプリの中のスイッチ1個で決まる話ではありません。署名がPlayの記録と合うか、端末が正規の認証環境か、入力や資源の増え方が人間の分布に乗るか、別アカウントと同じ決済や回線に繋がっていないか。層が違うものを「チート検知」の一言でまとめるから、「画面は動いていたのに突然落ちた」が謎に見えます。画面はクライアントです。台帳と判定は、多くのオンラインタイトルではサーバ側にあります。
公式側は、この構造の一部をすでに公開しています。Google Play Integrityは、改ざんされたアプリ、信頼できない端末、エミュレーション環境からの要求をアプリのサーバが見分けられる、と説明しています。SupercellのSafe and Fair Playは、未承認の第三者ソフト(改変、自動化、未獲得の進行)を永久停止の対象とし、予防システムと自動・人手の混成で運用すると書いています。ゲーム会社が「何を見ているか」を完全公開する必要はありません。公開されている層だけでも、読者の地図には足ります。
チート配布ファイルそのものの危険はブロスタ側で、クライアント内の未公開情報の扱いとやってはいけない線はAPKデータマイニングの正体側で整理しています。ここから先は検知の層です。ツール名の導入手順も、隠蔽の手順も出しません。
この記事で分かること
- BAN検知の仕組み … 端末の中だけでなく、サーバと横断照会まで層が分かれている
- 署名・改ざん … 画面が動いても、配布元の証明書がPlayの記録と合うかは別判定
- Play Integrity … Googleが返す公式の判定名と、ゲーム側がそれをどう使うか
- root・エミュ … 「改造していない」と「正規認証端末」は同義ではない
- 行動統計 … 入力間隔、移動、取得効率、勝率が人間の分布から浮く
- アカウント横断 … 端末、IP、決済、再インストール後も残る照会
- 即BANと泳がせ … その場で落とす運用と、溜めてから一斉に落とす運用
- 誤検知 … VPN、家族回線、中古端末、共有決済で巻き込まれやすい条件
- 失敗と戻し方 … 落ちたあとにやってよいこと、代行に渡してはいけないこと
「ゲーム BAN 仕組み」「チート バレる 理由」で来る方が本当に知りたいのは、導入の次の隠し方ではありません。運営側の画面に、自分の端末の何が載っているかです。地図があれば、本アカで試す前に止まれます。
背景:BANは端末の中だけで決まらない
オンラインのスマホゲームでは、所持通貨、試合結果、購入履歴の正解データは、だいたいサーバ側にあります。手元のアプリは画面と入力の窓口です。窓口を書き換えて数字を盛っても、台帳が追いつかなければ矛盾として残ります。NEOWIZのブラウンダスト2公式が、クライアント側で財貨の数字だけが変わって見える事例について、サーバ上の獲得は操作できない設計だと説明したのは、この前提の実例です(公式アカウントの調査結果告知)。画面の嘘と、台帳の正は別です。
契約側も同じ骨格です。Fate/Grand Order公式FAQの措置告知は、禁止事項として「本アプリに用いられるプログラムを改変し、毀損し、又は逆アセンブルし、逆コンパイルし、リバースエンジニアリングする行為」を掲げ、ゲームデータの解析や改造を措置対象に含めています。同告知は、確認できたアカウントへ予告なく停止を行う、とも書いています。著作権法上のプログラム解析の議論と、ゲームを続ける契約は別です。止まるのはまずアカウントです。
読者側で起きやすい誤解は3つです。
- 起動できた=検知されていない … 起動は、その瞬間の窓口が開いただけです。判定を溜めて後から落とす運用があります
- 改造した覚えがない=正規環境 … サイドロード、バックアップ復元、中古端末、家族が入れた別ストア版でも、署名やライセンスはPlayの記録から外れます
- 自分の垢だけ見られている … 端末、回線、決済は、別アカウントと横断して照会できます。1垢を消しても、同じ器が残ることがあります
現在地はこうです。Googleは環境判定のAPIを公開し、ゲーム会社は利用規約で改変と第三者ソフトを禁じ、運用は予防・自動・人手の混成です。非公式フォーラムが語る「絶対に落ちない条件」は、この公開情報と矛盾します。公開情報の側から層を積みます。
| 層 | 運営側が見ているもの | プレイヤーに見えやすい症状 | 単独で即断できるか |
|---|---|---|---|
| 署名・改ざん | パッケージ名、署名証明書、バイナリが正規配布と一致するか | 起動直後の終了、正規版へ誘導、ログイン拒否 | 強い。改変クライアントはここで浮きやすい |
| Play Integrity | アプリ認識、Play経由の権利、端末の認証段階、危険アプリ、異常な要求回数 | タイトルによって起動不可、対戦だけ不可、決済だけ不可 | 材料。最終判断は各ゲームのサーバ |
| root・エミュ | ブート状態、OSイメージ、物理端末か仮想か、フックの兆候 | 「この端末では利用できません」、認証ダイアログ | 材料。正規のPC版エミュとは別ラベルがある |
| 行動統計 | 入力間隔、移動、取得効率、勝率、通報、リプレイ | 数日〜数週間後の一斉停止、資源ロールバック | 弱い。溜めて確度を上げてから使う |
| アカウント横断 | 端末、IP、決済、再インストール後も残る端末側の印 | 別垢まで同時に止まる、新しい端末でも同じ制限 | 強い。1垢消しても器が残る |
5層を同じ「BAN検知」で呼ぶから、議論が壊れます。起動時に落ちる話と、3週間後に一斉に落ちる話は、見ているログが違います。ここから先は層ごとに、公開されている範囲だけを書きます。
層1:署名と改ざん検知
Androidのアプリは、配布元の署名証明書で包まれています。Google Playが配った正規版は、Play側にパッケージ名と証明書の記録があります。Play Integrity APIの概要は、コード改ざんの判定としてappIntegrityを挙げ、改変されていないバイナリとやり取りしているかをサーバが確認できる、と書いています。公式の判定名はPLAY_RECOGNIZED(Playの記録と一致)、UNRECOGNIZED_VERSION(証明書またはパッケージ名が一致しない)、UNEVALUATED(前提が足りず評価できない)です。
プレイヤーの体感とのズレは、ここに集中します。アイコンと名前が同じでも、別サイトから入れた同名アプリ、バックアップアプリ経由の復元、端末クローン、古い開発版の残留は、Playの記録から外れ得ます。「改造した覚えがない」は本人の記憶です。端末上のバイナリがPlay配布版かどうかは、別の事実です。
ゲーム側は、この判定を起動拒否に使うことも、対戦だけ止めることも、何もしないこともできます。Google自身が、判定を唯一の不正対策にしないこと、段階的な制限を組むことを推奨しています。だから同じ改変APKでも、タイトルAはロゴで落ち、タイトルBはストーリーだけ遊べて、タイトルCは数週間後にまとめて止まる、という差が生まれます。差は検知の有無ではなく、どの層を、いつ、どの強さで使うかです。
署名層で重要なのは、画面が動くことと正規クライアントであることはイコールではない、という一点です。改変クライアントは、この層で既に材料を残します。残した材料をすぐ使うか、行動統計と組み合わせて後で使うかは、運用の話です。
層2:Play Integrityが返す判定
Play Integrityは「端末BANのスイッチ」ではありません。アプリが要求を送り、Googleが複数の判定を返し、アプリのサーバがどう扱うかを決める仕組みです。公式ドキュメントが挙げる脅威は、未許可の入手経路、コード改ざん、危険な端末とエミュレーション環境です。追加で受け取れる判定には、更新の古い端末、画面キャプチャや操作をできる別アプリ、Play Protectが見つけた危険アプリ、短時間の異常な要求回数、過去に印を付けた端末の再出現があります。
読者が混同しやすい4系統だけ、名前を固定します。
- アプリ整合性 … 動いているアプリと署名がPlayの記録と合うか
- アカウントの権利 … 今ログインしているGoogleアカウントが、そのアプリをPlayで取得・購入したか。無料ゲームでもPlay経由でなければ
UNLICENSEDになり得ます - 端末整合性 … 正規の認証済みAndroidか。Android 13以降の
MEETS_DEVICE_INTEGRITYは、ブートローダーがロックされ、読み込まれたOSが認証済みメーカーイメージであることのハードウェア裏付けを含みます。空の判定は、システム侵害、フックの兆候、Integrityを通らない仮想環境などを含み得ます - 実行環境の追加信号 … Play Protectの状態、画面録画・遠隔操作・オーバーレイ、直近の要求回数、端末の再識別
段階もあります。MEETS_STRONG_INTEGRITYはより高い信頼で、Android 13以降では直近のセキュリティ更新が条件に入ります。MEETS_BASIC_INTEGRITYは低い段階で、認証済みとは限りません。root済みでもBASICだけ返す場合がある、と公式は書いています。Google Play Games for PC向けにはMEETS_VIRTUAL_INTEGRITYがあります。「エミュレータは全部同じ拒否」ではありません。正規の仮想環境と、認証を通らない仮想環境は、ラベルが違います。
さらに公式は、同じ判定トークンの使い回しを自動で潰す、と書いています。繰り返し復号しようとすると、端末判定が空になり、アプリ認識とライセンスがUNEVALUATEDになります。判定を別環境へ横流しする前提そのものが、公開仕様の側で想定されています。ここから先の「横流しのやり方」は書きません。読者に必要なのは、正規端末で一度通った判定を、別の器で使い回せば消える設計になっているという事実です。
Googleは、既存ユーザーが今どの判定を返しているかを先に測り、そのあと制限の強さを決める、とも推奨しています。これは後述する泳がせと直結します。判定が出た瞬間に全員を落とす設計は、公式の推奨ですらありません。
層3:root・エミュレータの見え方
rootは、端末の管理者権限を自分で取る状態の通称です。エミュレータは、PCなどの上でAndroidを仮想的に動かす状態です。どちらも「チートそのもの」ではありません。開発、バックアップ、キーボード入力、大画面での操作、といった用途があります。それでも不正対策の材料にはなります。理由は単純で、正規の認証チェーンから外れる経路と、自動化や改変を載せやすい経路が重なるからです。
公式の言葉に戻します。Play Integrityの端末判定が空になる例として、システム侵害(rootを含む)、APIフックの兆候、物理端末ではない環境が挙がっています。一方で、Google Play Games for PCは条件を満たせば仮想向けのラベルを返します。つまり運営が見ているのは「PCで遊んでいるか」ではなく、認証された仮想か、認証されない仮想かです。同じ「エミュ」という言葉で検索すると、この差が消えます。
プレイヤー側の「rootしていない」も、工場出荷時の信頼状態とは別です。過去にブートローダーを解除して戻していない、メーカー署名のないOS、中古で前所有者の変更が残っている、システム更新の失敗。本人が改造ツールを入れた記憶がなくても、端末整合性は落ちます。銀行アプリが止まり、ゲームは動く、逆もあるのは、アプリごとに要求する段階が違うからです。
この層でやってはいけない読み方は、「rootやエミュを隠す方法」へ滑ることです。隠し方は書きません。名前のある隠蔽モジュールも出しません。読者の判断に必要なのは次だけです。環境そのものが材料になる。材料はチートの有無と独立して残る。本アカの課金資産と同じ器で、認証の外側を試す理由はない。
層4:サーバ側の行動統計
署名とIntegrityが「器」なら、行動統計は「中身の動き」です。試合の入力間隔、照準の更新、移動速度、資源の増え方、勝率、通報、リプレイ。人間の分布から外れた点が、単独ではグレーでも、同じ方向に積み上がると確度が上がります。
公開されている範囲で、型は限られています。
- 入力が機械的 … 同じ最適行動の連打、人間が維持できない間隔。自動化を禁じる規約と直結します。Supercellはボットとゲームプレイ自動化を第三者ソフトに含めています
- 資源が説明不能 … そのレベル帯・そのプレイ時間では届かない所持数、回復、ドロップ。台帳がサーバにある設計では、画面の数字よりサーバの増減が正です
- 対戦成績が不自然 … 短期間の勝率急騰、反応が人間の上限を超える、同じ異常が通報と同時に来る
- 要求回数が異常 … Play Integrityの
recentDeviceActivityは、直近に異常な量の判定要求を出した端末を示す、と公式が書いています。自動化や量産の兆候として使えます
行動統計の怖いところは、本人に症状が出ないことです。起動はできる。試合もできる。石も増える。その間にログは溜まります。イベント終了後や、相場が荒れた週にまとめて落ちる、という見え方は、この層の運用と一致します。「昨日まで平気だった」は、検知されていなかった証拠ではありません。溜めていた可能性の方が、公開仕様とは整合します。
対戦タイトルで通報が燃料になるのも、この層です。Supercellは、リーダーボード、大会参加者、コミュニティからの通報に人手のモデレーターを置く、と書いています。目視される異常は、統計のキューを前に出せます。自分だけが見えている補助情報でも、勝敗と行動は相手とサーバに残ります。
層5:アカウント横断(端末・IP・決済)
1つのゲームアカウントを消しても、器は残ることがあります。公開されている範囲だけでも、横断の材料は複数あります。
- 端末 … Play Integrityの
deviceRecall(ベータ)は、アプリを再インストールしても端末を初期化しても、過去に印を付けた端末かを照会できる、と公式が書いています。プライバシーを保った印であり、電話番号の公開ではありません。それでも「端末を初期化したから別人物」にはなりません - IP・回線 … 同じ自宅回線、同じモバイル回線、同じVPN出口から短時間に多数の新規が生まれると、量産の材料になります。逆に、家族や寮の共有回線でも同じ材料は残ります。誤検知の節で戻ります
- 決済 … 同じGoogleアカウント、同じクレジットカード、同じキャリア決済、同じギフトの流れ。購入履歴はサーバの台帳です。垢を分けても、支払いの器が同じなら横断できます
- アカウントそのものの移動 … Supercellは、売買、共有、譲渡を規約違反とし、移ったアカウントの安全は保証できない、永久停止し得ると書いています。引き継いだ側の課金も、契約違反の上に乗るリスクが残ります
横断が見えると、「サブを捨てれば本アカは無事」という読みは崩れます。本アカと検証用を同じ端末、同じ回線、同じ決済で重ねた時点で、層5の材料は共有されます。結論の「分ける」は、隠し方ではありません。課金資産と、実験の器を同じ台帳に載せない、という損失回避です。
即BANと泳がせ
落ち方は2種類に見えます。起動した瞬間に止まる。数日〜数週間、普通に遊べたあとに一斉に止まる。前者を即BAN、後者を泳がせと呼ぶことがあります。中身は検知の有無ではなく、材料をいつ執行に使うかです。
即BANに寄りやすいのは、器の層です。署名がPlayの記録と明らかに違う、起動時のIntegrityが空、既知の改変クライアント、ログイン時点で台帳と矛盾する所持数。窓口を開いた瞬間に足りないので、その場で閉じます。
泳がせに寄りやすいのは、行動と横断の層です。単独ではグレーな点を溜める。人手や追加検証で確度を上げる。イベント後や、経済が荒れた週にバッチで執行する。公式が件数を出して抑止する。Googleが「先に判定だけ取って、制限の影響を見積もってから執行せよ」と書いているのは、この運用の土台です。Supercellも、予防できるものは予防し、できないものは自動と人手の混成で見る、と書いています。毎秒全員を落とす必要はありません。
| 見え方 | よく対応する層 | その場で言えること | 言えないこと |
|---|---|---|---|
| 起動直後に終了、正規ストアへ誘導 | 署名、Integrity、root・エミュ | 器の判定が足りていない可能性 | アカウント永久停止が確定した、とは限らない |
| ストーリーは遊べるが対戦・ランキングだけ不可 | 段階的なIntegrity、行動の一部 | タイトルが層を分けて制限している | 「一部だけなら問題ない」という保証にはならない |
| 数週間後に一斉停止、公式が件数を発表 | 行動統計、横断、通報 | 溜めてから執行した可能性 | 昨日まで検知されていなかった、とは言えない |
| 別垢や新しい端末でも同じ制限 | 端末・決済・回線の横断 | 垢単位ではなく器単位の照会が残っている可能性 | 初期化すれば消える、とは言えない |
| 家族の回線やVPNのあと、突然ログイン制限 | IP・決済の横断。誤検知も含む | 共有された材料を見ている可能性 | 自分の改造が証明された、とは限らない |
泳がせは、運営が「まだ見ていない」意味ではありません。見て、確度を上げ、まとめて落とす方が、誤検知と逐次対応のコストが下がる、という運用です。プレイヤーの体感だけを証拠にすると、地図が逆転します。
誤検知が起きる条件
層が厚いほど、正当な利用者も材料に載ります。Googleが段階的執行を推奨する理由そのものです。高い信頼段階ほど対象端末が減り、正当な利用者まで排除し得ます。誤検知を「自分は潔白だから落ちない」に翻訳してはいけません。潔白でも器が共有されていれば、材料は残ります。
起きやすい条件は、次です。
- VPN … 出口IPが、過去に量産や不正購入と紐づいた共有アドレスであることがあります。支払いの国と接続元の国が食い違うと、アカウント保護の制限が先に出るタイトルもあります。VPN自体が改造ではありません。共有された出口が、別人の材料を運ぶことがあります
- 家族回線・寮・社内Wi-Fi … 同じグローバルIPの下に、複数の端末とアカウントが乗ります。誰かが非公式APKを入れていた、誰かが同じ決済で別垢を量産していた、というだけで、横断の材料は家の中に残ります
- 家族のGoogle Play・キャリア決済 … 支払い名義が同じだと、垢を分けても層5で繋がります。子ども用と本アカを同じおサイフで回すと、片方が止まって片方が残る保証はありません
- 中古端末・初期化済み端末 … 前所有者のブート状態、残存アプリ、deviceRecallの印は、初期化ですべて消えるとは限りません。公式が「リセット後も照会できる」と書いている以上、中古は器の履歴付きです
- 正規の画面録画・遠隔サポート … キャプチャや操作をできる別アプリは、追加判定の対象になり得ます。銀行や一部ゲームが、録画中だけ重要操作を止めるのはこの系統です。マルウェア確定ではありません
誤検知のあとでやってよいのは、公式ストア版か、Playの認定状態か、家族の決済と回線が共有されていないか、を確認することです。やってはいけないのは、誤検知を理由に隠蔽側へ進むことです。隠し方は、次の材料を足す行為になり得ます。戻し方は後述します。
典型ケースの再構成
以下は特定個人の実体験ではありません。公開されている規約、Play Integrityの公式仕様、コミュニティで繰り返し出る落ち方から組んだ典型ケースの再構成です。手順の再現ではなく、見える症状と、どの層が材料になったかの読み方です。
ケースA:画面は3週間動いた。イベント終了の翌朝に一斉停止
時点: 大型イベント最終日の翌早朝。端末: 普段使いのAndroid。Googleアカウントは本アカと同じ。アカウント: 有償通貨の残高あり。ランク帯の中位。
見えた表示: タイトル画面で「利用規約違反により利用を停止しました」系の短い文面。問い合わせ番号だけが残る。端末の他アプリは動く。
取った行動: イベント期間中、非公式の「進行が楽になる版」を別サイトから入れていた。起動は普通で、資源の増え方も自分では「少し早い」程度にしか感じていなかった。公式ストア版へ戻す作業はしていなかった。
判断: 「起動できている間は見られていない」と読んだ。層1の署名は、入れた瞬間から材料になり得ます。層4の取得効率は、イベント中に溜まります。執行が最終日の後に寄るのは、泳がせの型です。
結果: 本アカ停止。同じ端末の別タイトルは動く。有償残高は戻らないことが多い。
戻し方: 非公式版を捨て、公式ストアのアプリに戻す。公式サポートへプレイヤーIDと「停止画面が出た日時」だけを書く。使っていたファイル名や入手経路の自慢は書かない。解除代行は使わない。期待値は復活ではなく、同じ器で次の本アカを作らないことです。
ケースB:自分は無改造。同居家族の回線のあと、新規が連続で制限
時点: 連休中。端末: 自分はメーカー出荷状態。家族の1台は別ストアのAPKが入っていた。アカウント: 自分の本アカは長年の正規課金。新規のサブを同じ家のWi-Fiで作り始めた。
見えた表示: 本アカはログインできる。新規だけが「短時間の作成が制限されています」系で止まる。VPNを切っても同じ。
取った行動: サブはログイン石用のつもりだった。規約の複数アカウント条項は読んでいなかった。決済は家族の同じGoogle Play。
判断: 「自分の本アカが改造された」ではない。層5の回線と決済が、家の中で共有されている。家族端末の非公式APKは、同じ出口IPの材料になり得ます。複数アカウント自体を禁じるタイトルでは、新規側が先に止まります。
結果: 本アカは残った。新規は作れない。家族の決済を本アカの実験に使った時点で、横断の材料は既に共有されています。
戻し方: 新規作成を止める。本アカのパスワードと、家族が共有しているGoogleアカウントのログインを見直す。非公式APKがある端末を、本アカのログインに使わない。問い合わせるなら「新規が制限された日時とプレイヤーID」だけ。同居の回線を隠す話ではありません。共有をやめる話です。
ケースC:海外版を見たかっただけ。VPN接続のまま本アカで課金画面へ
時点: 深夜。端末: 無改造。アカウント: 日本のストアで長年課金している本アカ。
見えた表示: ゲームは起動する。購入ボタンでエラー。サポートから「アカウント保護のため確認が必要」と返る。切断しても、数時間は購入が通らない。
取った行動: 地域の違うストア画面を見たかった。VPNを繋いだまま、いつもの本アカで課金画面を開いた。
判断: 改造検知というより、支払いの国と接続元の不一致です。層5のIPと決済です。VPNは改変ではありませんが、共有出口と地理の食い違いは、不正購入対策の材料になります。
結果: 資産は残った。その夜のパックは買えなかった。慌てて別の決済代行に手を出すと、Supercellが禁じる第三者経由の通貨購入へ滑ります。
戻し方: VPNを切る。公式の購入画面だけを使う。エラーが続くなら公式サポートへ、プレイヤーIDと購入エラーの時刻を書く。地域を跨いだ「安く買う裏」は、この記事の対象外です。本アカの決済を、別地理の出口に載せないことが先です。
失敗と戻し方
落ちたあとに増える被害は、停止そのものより二次被害です。解除代行、乗っ取り、別の非公式ファイル、同じ決済での作り直し。初動は短くて足ります。
- 画面を残す … 停止文面、日時、プレイヤーID。問い合わせの材料はこれだけです。解析ログや導入手順は不要です
- 非公式のアプリを捨て、公式ストア版に戻す … 起動し直して復活する保証はありません。次の器を汚さないための作業です
- 公式サポートへ、IDと日時と表示文面だけ書く … FGOの措置告知は、禁止行為が確認されたアカウントはサポート対応ができない場合がある、と書いています。Supercellのポリシーページは、不当なペナルティと感じたらサポートへ連絡してほしい、と書いています。どちらも、使っていた改変の告白や、第三者への委託を求めていません
- 解除代行・復旧屋にログイン情報を渡さない … アカウントと決済の乗っ取り定番です。止まっている垢の「復活保証」は、横断の材料を他人に渡す行為です
- 同じ端末・同じ決済で本アカの作り直しを急がない … 層5が残っていると、新しいIDだけが乗った器になります。急ぐほど、課金資産をもう一度同じ台帳に載せます
- 銀行アプリ、メール、ストアのパスワードを変える … 非公式APKを開いていたなら、ゲームの話ではなく端末の話です。不審な課金明細を先に見ます
永久停止は、問い合わせても戻らないことが多いです。戻し方の本体は、失った垢を説得で取り戻すことではありません。残っている本アカと、これから触る器を分けることです。失敗の型は「試す場所を間違えた」です。
最終判断:本アカと検証環境を分ける
5層を通すと、結論は短くなります。画面は窓口です。署名、Integrity、root・エミュ、行動統計、端末・IP・決済の横断は、窓口の奥にあります。即BANは器の不足、泳がせは中身と横断の執行タイミングです。誤検知は、VPNと家族回線と共有決済で起きます。どれも、隠し方を知れば消える話ではありません。
読者が得をする地点は、検知を欺く側ではありません。課金と時間を入れた本アカを、材料の実験台にしないことです。公式ストアのアプリ、普段の回線、自分の決済。この3つが乗っている器の上で、非公式ファイルも、認証の外側の環境も、新規の量産も試さない。見てみたい欲があるなら、本アカとは別の、失ってもよい器だけを使います。分け方の技術詳細は書きません。分けるという判断だけが、この記事の成果です。
最終チェックは4つで足ります。
- 今触っているアプリは、公式ストアの記録と署名が同じか
- 今の端末と回線と決済は、本アカの課金資産と同じ器になっていないか
- 起動できていることを、「見ていない」証拠にしていないか
- 落ちたあとに、解除代行や別の非公式ファイルへ滑っていないか
4つがYesなら、この記事の仕事は終わりです。次に読むなら、配布ファイル側の危険はブロスタ、クライアント内の未公開情報はAPKデータマイニングの正体です。どちらも、回避手順ではありません。
よくある質問
改造していないのに停止されたら、誤検知で確定ですか。
確定ではありません。本人の記憶と、端末上のバイナリ、回線、決済は別です。サイドロード、家族の決済、中古端末、VPNの共有出口でも材料は残ります。公式サポートへIDと日時と表示文面を送るのはよいです。誤検知だから隠蔽側へ進む、は次の材料を足します。
VPNを使うと必ずBANされますか。
必ず、ではありません。VPN自体は改変ではありません。ただし出口IPが共有され、過去の量産や不正購入と重なることはあります。支払いの国と接続元が食い違うと、購入やログインの保護が先に出るタイトルもあります。本アカの課金操作を、別地理の出口に載せない方が損失は小さいです。
家族と同じWi-Fiだと、巻き添えになりますか。
なることがあります。層5は垢の名前より、回線と決済と端末を見ます。家族の誰かが非公式APKを入れている、同じGoogle Playで別垢を量産している、というだけで材料は共有されます。本アカを守るなら、非公式ファイルがある端末で本アカに入らない、支払い名義を実験用に共有しない、が先です。回線を隠す話ではありません。
Play Integrityに落ちたら、その端末のゲームは全部使えなくなりますか。
なりません。Googleは判定を返し、各アプリのサーバが段階を決めます。銀行は振込だけ止め、ゲームAは起動拒否、ゲームBは対戦だけ拒否、があり得ます。公式も、高い信頼段階だけを必須にすると利用者が減る、として段階的執行を推奨しています。1つのエラーメッセージで端末全体を断定しないでください。
停止されたアカウントは、解除代行に頼めば戻りますか。
頼んではいけません。ログイン情報を渡す行為は、乗っ取りと追加課金の定番です。公式の措置は、確認できた違反に対して予告なく停止する、と書かれているタイトルがあります。期待値は復活ではなく、残っている器を汚さないことです。問い合わせるなら公式窓口だけです。
本アカで「見るだけ」なら大丈夫ですか。
大丈夫、とは書きません。見るだけのつもりでも、非公式ファイルを入れた時点で署名層の材料になり得ます。起動できたことは、見ていない証拠ではありません。本アカと検証の器を分ける、がこの記事の上限です。分け方の手順と、検知を通す手順は扱いません。
